●大手企業の冬季賞与は3.47%増の80万6,007円
経団連が今冬賞与の最終集計結果を発表し、回答した企業(159社)の平均妥結額が1人あたり80万6,007円(前年同期比3.47%増)となり、2年ぶりに増加したことがわかった。業種別では自動車が89万8,838円(同比11.81%増)で過去最高の伸びとなった。
〔関連リンク〕
 2013年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均)
 http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/114.pdf

 
●新卒採用者数が4年連続で増加の見込み
 2015年春卒業の大学生・大学院生の採用見通しに関する調査(リクルートホールディングスが実施)で、採用者数が前年より「増える」と回答した企業の割合(13.3%)が「減る」と回答した企業の割合(5.5%)を大き く上回ったことがわかった。「増える」と回答した割合の多かった業種は、「建設」(21.5%)、「飲食サービス」(21.1%)、「情報通信」(19.4%)、「証券」(19.4%)の順だった。

 
●「教育訓練給付」の上限は3年で144万円に
厚生労働省は、雇用保険法の改正案について、「教育訓練給付」に関する当初の拡充案(3年で最大180万円を支給)を縮小し、上限を3年で最大144万円にすることを決定した。労使双方から「給付水準が高すぎる」との批判があったため。

 
●「ブラック企業」対策で求人票に採用者数・離職者数を記載
厚生労働省は「ブラック企業」対策として、ハローワークを通じて大学生らを採用する企業に対し、来年度から離職率の公表を求めることを決定した。求人票に過去3年間の採用者数と離職者数の記入欄を設ける。ただし、記入は強制とはしない考え。

 
●「専門26業務」廃止で派遣労働拡大へ
厚生労働省は、労働者派遣法の改正方針を固め、労働政策審議会に見直し案を示した。主な内容は、通訳などの「専門26業務」以外では最長3年までしか派遣労働者に仕事を任せられない仕組みを廃止することなど。同省は来年の通常国会に改正法案を提出する方針。

 
●国民年金保険料滞納者に対する督促を拡大へ(12月25日)
厚生労働省は、国民年金保険料の納付率アップを図るため、現在は悪質な滞納者の一部にしか送っていない督促状を、2014年度からは「年収400万円以上で13カ月以上滞納している人」に送付することを発表した。これにより対象者は現在の約3万人から14万人程度に増加する見通し。

 
●労働者派遣制度の見直し案 年内にまとまらず
厚生労働省は、年内に取りまとめるとしていた労働者派遣制度の見直し案の発表について、来年に持ち越すことを決定した。労使双方の合意が得られなかったためだが、1月中には決着させ、来年の通常国会への改正案提出は予定通り行いたい考え。

 
●悪質運転に対する厳罰化法が成立
飲酒や薬物摂取、特定の病気等の影響により交通事故を起こした場合の罰則を強化(最高刑:懲役15年)した「自動車運転死傷行為処罰法」が参院本会議で可決、成立した。法務省は、特定の病気として「てんかん」や「統合失調症」などを政令で定め、来年5月までに施行する予定。

 
●労働組合員数が4年連続で減少
厚生労働省が平成25年の「労働組合基礎調査」の結果を発表し、労働組合員数(今年6月末時点)が987万5,000人(前年比0.2%減)となり、4年連続で減少したことがわかった。雇用者に占める組合員の割合を示す組織率も17.7%(同0.2ポイント減)で、3年連続で過去最低を更新した。
 〔関連リンク〕
  平成25年労働組合基礎調査の概況
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/13/index.html

 
●賃上げ企業に補助金を優先支給へ
安倍首相は、設備投資を促す中小企業向けの「ものづくり補助金」を支給する際の判断基準に関して、従業員の賃上げを実施した企業を優先することを明らかにした。同補助金は、今年度の補正予算案(1,400億円)に計上されており、来年の通常国会で補正予算の成立後に申請を受け付ける予定。

 
●国民医療費が5年連続で過去最高を更新
厚生労働省が2011年度における国民医療費(1年間に使った医療費の総額)を発表し、総額38兆5,850億円(前年度比3.1%増)、1人当たり30万1,900万円となり、いずれも5年連続で過去最高を更新したことがわかった。同省は、医療の高度化と高齢化の進展が増加の要因だと分析としている。
〔関連リンク〕
 平成23年度 国民医療費の概況
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/11/index.html

 
●労働者派遣制度見直し案を労政審に提示 厚労省
厚生労働省は、労働者派遣制度の見直し案を労働政策審議会の部会に示した。最長3年としている派遣社員の受け入れ期間の上限をなくし、無期限で働き続けられるようにする。また、通訳などの「専門26業務」の区分についても廃止する。来年の通常国会に労働者派遣法の改正案を提出し、2015年の施行を目指す。

 
●平成26年度「税制改正大綱」を決定
自民・公明両党は、平成26年度の税制改正大綱を決定した。来年4月の消費税増税を見据え、年収1,000万円超の会社員の給与所得控除の縮小や大企業の交際費課税の見直しなどを盛り込んだ。

 
●民間企業の冬季賞与が5年ぶりに増加の見通し
民間企業における冬季賞与の平均支給額が1人当たり36万9,000円(前年比1.0%増)となり、5年ぶりに増加する見通しであることが、民間シンクタンク4社の調査で明らかになった。昨年後半以降の景気回復と円安による収益増加等による影響とみられる。

 
●現金給与総額が4カ月ぶりに増加
厚生労働省が10月の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、現金給与総額が26万7,167円(前年同月比0.1%増)となり、4カ月ぶりに増加したことがわかった。所定内給与は24万2,153万円(同0.4%減)で17カ月連続で減少、所定外給与は、1万9,511円(同5.4%増)で7カ月連続で増加した。

 
●連合が5年ぶりにベア1%以上を正式決定
連合は、来年の春闘において、年齢や勤続年数に応じて賃金が上昇する定期昇給(2%)を確保したうえで、基本給を一律で引き上げるベースアップ(1%以上)の実施を5年ぶりに要求することを正式決定した。大企業との格差を埋める必要がある中小企業については、さらに1%程度の上乗せを要求する方針。

 
●3年ぶりに夏季賞与支給額が増加
厚生労働省が「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、2013年における夏季賞与支給額が労働者1人平均35万9,317円(前年比0.3%増)となり、3年ぶりにプラスに転じたことがわかった。ただ、従業員数100〜499人の企業の支給額は1.5%減となった。

 
●「雇用促進税制」の延長を検討 政府・与党
政府・与党は、雇用促進税制の期限を、来年3月から3年程度延長する考えを示した。来月中旬にまとめる来年度の税制改正大綱に盛り込む方針。また、今年10月に導入された「所得拡大促進税制」の期限についても2年間(2018年月末まで)延長する考え。

 
 ●企業の約8割が賃上げ 厚労省調査
厚生労働省が発表した賃上げに関する実態調査(常用労働者100人以上の企業1,853社が回答)の結果によると、2013年中に賃金を引き上げる企業は79.8%(前年比4.5ポイント増)となり、6年ぶりの高水準となったことがわかった。賃上げ額は1人平均4,375円(同比339円増)だった。

 
●9月の国内建設受注額が急増
日本建設業連合会が会員企業98社に行った9月の国内建設受注額の結果を発表し、受注額が2兆4,161億円(前年同月比約2.1倍)となったことがわかった。来年の消費増税を前に、病院や学校などの「サービス業」による駆込み工事が急増した。

 
●胆管がんの労災認定が新たに1件
厚生労働省は、胆管がんを発症した印刷会社の従業員による労災請求が相次いでいる問題で、埼玉県の印刷会社に勤務していた従業員(40代男性)1人を新たに労災認定することを決定した。これにより認定件数の合計は25件になった。

 
●「社保プログラム法案」「産業競争力強化法案」が衆院通過
企業の再編を後押しする税制優遇などを盛り込んだ「産業競争力強化法案」が衆議院本会議で可決された。また、社会保障制度改革の実行手順を定めた「プログラム法案」も可決された。いずれも今国会での成立する見通し。

 
●専業主婦らの健康保険料軽減措置見直しを検討 厚労省
厚生労働省は75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」に関して、家計に余裕のある専業主婦など(約180万人)の保険料を9割軽減している特例の廃止に向けた検討に入った。社会保障改革の方針に従い経済力に見合った負担を求めるためで、年間約220億円を投じている税金の削減を目指す。


●大卒者の平均初任給が2年連続で減少
厚生労働省が「賃金構造基本統計調査」の結果を発表し、2013年春入社の大卒者の平均初任給が19万8,000円(前年比0.8%減)となり、2年連続で減少したことがわかった。同省では「賃金水準が相対的に低い中小企業の採用が活発になり、大企業を含めた全体の平均が下がった」としている。

 
●介護保険「訪問介護・通所介護」を市町村に移管 厚労省案
厚生労働省は、介護保険制度において要支援認定を受けた軽度者向けサービスのうち、保険給付から市町村事業へ移管する対象を訪問介護と通所介護に限定する案を、社会保障審議会に示した。同省は年内に改正案をまとめ、来年の通常国会に提出する方針。

 
●消費増税分の約6割を年金関連で消化
厚生労働省と内閣府は、消費増税に伴う2014年度の増収額(5.1兆円)の使い道の詳細を明らかにした。このうち、子ども・子育て支援を中心とした社会保障の充実には5,000億円が充てられる。また、基礎年金の国庫負担分の返済などにも充てるため、全体の約6割(約3兆円)を年金関連で消化する。

 
●「国家戦略特区法案」を国会に提出
政府は、大都市を中心に地域限定で規制を緩和する「国家戦略特別区域法案」を閣議決定し、国会に提出した。解雇ルールの明確化や、企業による農業への新規参入の大幅な自由化などは先送りされた。12月までに同法案を成立させ、年明けにも全国3〜5カ所を特区に指定する見通し。
 〔関連リンク〕
  国家戦略特区特集ページ(首相官邸)
  http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kokkasenryaku_tokku2013.html

 
●国保保険料 高所得世帯は引上げへ 厚労省案厚生労働省は、国民健康保険(国保)について、収入が約1,000万円以上の単身世帯などの所得が高い世帯の保険料を、年間で2万円引き上げる見直し案をまとめた。対象世帯が納める介護保険料についても2万円引き上げ、財政改善を図る。2014年4月から実施の方針。

 

●認可保育所の利用要件を緩和へ
政府が「子ども・子育て会議」を開き、2015年から認可保育所の利用要件を緩和する方針を明らかにした。現行ではフルタイムで働いている人だけが対象となっていたが、パート勤務や在宅勤務、夜勤の人も利用できるようになる。

 
●約7割の企業が「65歳以上も雇用」 厚労省調査
厚生労働省が調査を行った「高年齢者の雇用状況」(6月1日時点)の結果を発表し、65歳かそれ以上まで働ける企業の割合が66.5%(前年 比17.7ポイント上昇)だったことがわかった。65歳までの雇用確保の義務付けは2025年度からだが、先取りして対応した企業が多かった。
 〔関連リンク〕
  平成25 年「高年齢者の雇用状況」集計結果
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000027435.html

 
●大企業における長時間労働が増加 厚労省調査
厚生労働省が2013年度の「労働時間総合実態調査」の結果を発表し、大企業で1カ月の残業時間が60時間を超える人がいる割合が43.9%(2005年度調査比7.3ポイント上昇)となったことがわかった。

 
●賃上げ減税の適用条件を緩和へ
政府・与党は、企業減税についての最終案をまとめ、「給与総額を5%以上増やした企業」に対して検討されていた税優遇の適用条件を「2%以上」に緩和することが明らかになった。来春からの消費増税による景気の腰折れ防止に向け、企業の投資を促す。

 
●建設会社の約4割が賃上げ 国交省調査
国土交通省が公共工事などに携わる労働者の賃金調査の結果を発表し、賃金を引き上げたか(もしくは予定している)と回答した企業が35.5%に上り、据え置いた企業(33.6%)を上回ったことがわかった。引上げの理由には、労働者の確保や業界の発展のためなどが挙がっていた。

 
●連合が5年ぶりにベア1%以上を要求
連合は、来年の春闘で年齢や勤続年数に応じて賃金が上がる定期昇給(2%)を確保したうえで、全組合員の賃金を一律で1%以上引き上げるベースアップ(ベア)の実施を5年ぶりに要求する方針を決定した。大企業との格差を埋める必要がある中小企業については、さらに1%程度の上乗せを要求する。

 
●消費増税時対策として年金受給者に1万5,000円支給
自民・公明両党は、来春の消費増税時における低所得者対策として、住民税の非課税世帯(約2,400万人)に1人当たり1万円を支給する方針を固めた。このうち年金受給世帯(約1,300万人)などについては、5,000円を加算する。

 
●「有期労働契約の特例」を特区から除外の方針 政府
政府は、「国家戦略特区」の規制緩和に関して、改正労働契約法で定められた「有期労働契約者が5年超働いた場合の無期転換ルール」を適用しなくてもよいとする「有期労働契約の特例」を除外する方針を示した。厚生労働省が特区の内外で労働規制に差をつけることに難色を示しているため。

 
●ハローワークが保育士の就職を仲介へ
厚生労働省は、認可保育所で保育士が不足している等の問題を受け、ハローワークが保育所と求職者を仲介し、就職につなげる取組みを実施する方針を明らかにした。保育士の資格を保有する人の就職を促すため、ハローワークを運営する地方の労働局に通知を出す考え。

 
●今年度の最低賃金 全国平均で12円増
厚生労働省が2013年度における都道府県ごとの最低賃金をとりまとめ、全国平均が764円(前年度比15円増)となったことがわかった。新賃金は10月頃から順次適用される。最低賃金が生活保護の受給額を下回る「逆転現象」は、北海道を除いて解消されることとなる。
 〔関連リンク〕
  全都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000022442.html

 
●「高額療養費制度」70歳未満の低所得者の負担軽減を検討
厚生労働省は、高額療養費制度を大幅に見直す案を社会保険審議会の部会に示した。70歳未満で所得が多い層(約1,300万人)に対して自己負担を増やす一方、所得の少ない層(約4,000万人)については負担を減らす案が有力で、2015年1月の実施を目指すとしている。

 
●公共工事入札制度 若手技術者活用で優遇へ
政府・与党は、建設業の人手不足が深刻化していることを受け、若手技術者を活用する企業を優遇するなど、新たな公共工事の入札制度を、早ければ2014年夏から導入する方針を示した。復興やインフラの更新、東京オリンピックの施設整備など、今後も公共工事が続くと見られ、若手の人材育成が急務であるため。

 
●派遣労働者の4割以上が正社員を希望
厚生労働省が平成24年の「派遣労働者実態調査」の結果を発表し、派遣労働者の約4割が正社員への登用を希望していることがわかった。一方、事業所が過去1年間に派遣労働者を正社員として登用したケースは2%未満にとどまり、労使の考えの違いが浮き彫りとなった。
 〔関連リンク〕
  平成24年「派遣労働者実態調査」の結果
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/40-20.html

 
●完全失業率が6カ月ぶりに悪化
総務省が8月の完全失業率を発表し、4.1%(前月比0.3ポイント上昇)と6カ月ぶりに悪化したことがわかった。一方、厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率は、0.95倍(同0.01ポイント上昇)で、6カ月連続で改善となった。

 
●胆管がんの労災認定が新たに2件
厚生労働省は、印刷会社の従業員が相次いで胆管がんを発症している問題で、福岡県の印刷会社に勤務していた元従業員2人(1人は労災申請時に死亡)を新たに労災認定することを決定した。これにより労災認定件数の合計は24件(うち死亡11件)になった。

 
●介護職員の離職率が上昇 17%に
公益財団法人介護労働安定センターが平成24年度「介護労働実態調査」の結果を発表し、介護職員の離職率が17.0%(前年度比0.9ポイント上昇)となったことがわかった。同センターでは「条件の良い職場を求めて多施設に転職する傾向が離職率を上げたのでは」と分析している。

 
●年金事務処理違反が1,151件
日本年金機構は、保険料免除の申請書を放置するなどの事務処理違反が計1,151件あり、約2,700万円の支給漏れや過払いがあったことを発表した。同機構は受給者に対して謝罪するとともに、金額の訂正を進めている。

 
●「裁量労働制」を拡大 厚労省方針
厚生労働省は、労働者が働く時間を柔軟に決定することができる「裁量労働制」を拡大する方針を固めた。対象となる業務を広げ、手続きも簡単にできるようにする。来年の通常国会への労働基準法改正案の提出を目指す。

 
●社会保障制度改革の骨子案を閣議決定
政府は、社会保障制度改革の今後の手順を示す「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。医療分野では、2014年度から70〜74歳の窓口負担を引き上げ、介護分野では、2015年をめどに介護サービスの自己負担を増やすなどする。今秋の臨時国会でプログラム法案を成立させ、来年の通常国会に医療・介護の関連法案を提出する。

 
●バスなどの悪質違反に対する処分厳格化
国土交通省は、来年から、悪質な道路運送法違反をしたバス、タクシー、トラックの事業者に対する処分の厳格化を発表した。従来は違反を繰り返した場合に、30日間の事業停止となっていたが、今後は1度の違反でも対象となる。

 
●特別養護老人ホームの入所条件を見直しへ
厚生労働省は、2015年度から特別養護老人ホームへの入居条件を、現行の「要介護1以上」から「要介護3以上」に見直す改革案を社会保障審議会介護保険部会へ示した。在宅での生活が困難な「中・重度の要介護者」の入居を促すのが狙い。2015年度の実施を目指し、来年の通常国会に介護保険法改正案を提出する。

 
●被災地の介護施設採用正職員に「就職支度金」を支給へ
厚生労働省は、被災地で介護施設の職員不足が深刻化している現状を踏まえ、2014年度から、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の介護施設に採用される正職員に1人当たり原則10万円の「就職支度金」と月2万円の「住宅手当」を支給する考えを示した。2014年度予算案の概算要求に盛り込む方針。

 

 
 ●「胆管がん」を労災対象として明記へ 厚労省
厚生労働省は、印刷会社の従業員が相次いで「胆管がん」を発症している問題で、原因物質とみられている「1、2ジクロロプロパン」と「ジクロロメタン」にさらされる環境下で働き胆管がんを発症した場合に、労災対象となることを省令に明記すると発表した。改正された省令は10月1日から施行される。
 
〔関連リンク〕
  胆管がんなど4疾病を労災補償の対象となる業務上疾病として明確化します
 〜改正省令を平成25年10月1日に施行〜
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000021826.html

 
●健保組合が2,976億円の赤字
健康保険組合連合会は、2013年3月末時点で存在した健康保険組合の収支状況を発表し、2012年度の決算が2,976億円の赤字となったことがわかった。高齢化に伴い高齢者医療制度に支払う支援金の負担が増えたことなどが影響した。

 
●国年保険料滞納者全員への督促を実施へ 政府方針
政府は、国民年金保険料の納付率を引き上げるため、すべての滞納者に督促を実施することなどを盛り込んだ改革案を明らかにした。また、納付期限後すぐに滞納金を課す方針。保険料と税金を一元的に徴収する「歳入庁」の設置については見送ることとなった。

 
●胆管がんの労災認定が新たに1件
厚生労働省は、印刷会社の従業員が相次いで「胆管がん」を発症している問題で、大阪府の印刷会社に勤務後に死亡した元従業員1人を新たに労災認定することを決定した。これで労災認定件数の合計は22件
 (うち死亡10件)になった。

 
●生活保護世帯数が最多更新 158万世帯に
厚生労働省が生活保護に関する集計結果を発表し、今年6月時点で生活保護を受給している世帯数が158万3,308世帯(前月比1,242世帯増)となり、過去最多を更新したことがわかった。受給者は215万3,122人
(同694人減)で2カ月ぶりに減少した。

 
●現金給与総額が5カ月ぶりに増加
厚生労働省が6月の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、「現金給与総額」(基本給や賞与などの合計)が43万3,568円(前年同月比0.1%増)となり、5カ月ぶりに増加したことがわかった。なお、賞与などの「特別に支払われた給与」は17万1,792円(同0.4%増)となった。

 
●社会保障制度改革の骨子案を閣議決定
政府は、社会保障制度改革の今後の手順を示す「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。医療分野では、2014年度から70〜74歳の窓口負担を引き上げ、介護分野では、2015年をめどに介護サービスの自己負担を増やすなどする。今秋の臨時国会でプログラム法案を成立させ、来年の通常国会に医療・介護の関連法案を提出する。

 
●「耐震」「省エネ」などの設備投資で税制優遇
政府・与党は、今秋にまとめる「成長戦略」の第2弾に盛り込む設備投資促進のための税制措置と規制強化の概要を明らかにした。大規模ビルなどの耐震改修や省エネ対策を進めるため、対策を講じた事業者には税制面で優遇するなど、来春の消費増税による景気への影響を考慮する。

 
●女性の平均寿命が世界一に返り咲き
厚生労働省が2012年における日本人の平均寿命を発表し、女性が86.41歳(前年比0.51歳の延び)で2年ぶりに長寿世界一となり、男性は79.94歳(同0.50歳の延び)で過去最高を更新したことがわかった。男女ともに前年を上回るのは3年ぶり。

 
●介護職員の離職率が上昇 17%に
公益財団法人介護労働安定センターが平成24年度「介護労働実態調査」の結果を発表し、介護職員の離職率が17.0%(前年度比0.9ポイント上昇)となったことがわかった。同センターでは「条件の良い職場を求めて多施設に転職する傾向が離職率を上げたのでは」と分析している。

 
●「耐震」「省エネ」などの設備投資で税制優遇
政府・与党は、今秋にまとめる「成長戦略」の第2弾に盛り込む設備投資促進のための税制措置と規制強化の概要を明らかにした。大規模ビルなどの耐震改修や省エネ対策を進めるため、対策を講じた事業者には税制面で優遇するなど、来春の消費増税による景気への影響を考慮する。

 
●20〜30代の女性の7割が就業 過去最高を更新
2012年の「就業構造基本調査」(総務省)によると、25〜39歳の女性の有業率(仕事をしている人の割合)が69.8%(前回調査比3ポイント増)となり、過去最高を更新したことがわかった。15〜64歳の生産年齢人口についても、女性の有業率は63.1%(前回調査比1.4ポイント増)で過去最高だった。

 
●大企業の課長級以上に労働時間規制の特例検討 政府
政府が、大企業で年収800万円を超える社員を対象に、「1日8時間・週40時間」の労働時間規制にあてはまらない新たな勤務制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)の実験的導入を検討していることがわかった。2014年度から一部企業での導入を目指し、秋の臨時国会に提出予定の「産業競争力強化法案」に制度変更を可能とする仕組みを盛り込む考え。

 
●8割以上の企業で女性管理職が10%未満
管理職(課長以上)のうち女性の割合が10%に満たない企業が全体の81.1%にのぼることが、帝国データバンクの調査で明らかになった。女性管理職の割合が10%未満の企業の割合を規模別でみると、大企業88.7%、中小企業78.8%で、大企業ほど女性が登用されていないことがわかった。

 
●2013年上半期の自殺者が統計開始以降最少に
警察庁は、今年上半期(1〜6月)の全国の自殺者数が1万4,192人(前年同期比0.7%減)だったとする統計(速報値)を発表した。男女別では、男性9,901人・女性4,291人で、2年連続で上半期に1万5,000人を下回り、統計が開始された2009年以降では最も少ない結果となった。

 
●離職率が3年ぶりに上昇
厚生労働省が2012年の「雇用動向調査」の結果を発表し、離職率(労働者全体のうち、自己都合や解雇などで仕事を辞めた人の割合)が14.8%(前年比0.4ポイント増)となり、3年ぶりに上昇したことがわかった。雇用環境が改善し、転職に踏み切る人が増えたことが要因とみられる。

 
●厚労省が「ブラック企業」の実態調査を実施へ
厚生労働省は、劣悪な労働環境などが社会問題となっている「ブラック企業」ついて、9月から実態調査を始めると発表した。調査期間は1カ月で、離職率が高かったり過重労働の疑いがあったりする約4,000社が対象となる見込み。

 
●2011年度の世帯所得が上昇 548万円に
厚生労働省が2012年の「国民生活基礎調査」の結果を発表し、2011年度の1世帯あたりの平均所得が548万2,000円(前年度比1.9%増)となり23年ぶりの低水準だった昨年から10万2,000円上昇したことがわかった。18歳未満の子供がいる世帯の所得増により、生活苦を訴える世帯の比率も減少した。
 〔関連リンク〕
  平成24年 国民生活基礎調査の概況
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa12/index.html

 
●国の助成を受けた職場内保育所81施設が休廃止
会計検査院は、企業が従業員のために職場内に設置する保育所について、国の助成金により設置された720件のうち81件が休廃止していたと発表した。同院では助成を認める際の事前審査の甘さを指摘し、厚生労働省に改善を求めた。

 
●2012年度の介護保険利用者 前年度から26万増
厚生労働省が2012年度の「介護給付費実態調査」の結果を発表し、介護保険サービス利用者が約543万人(前年度比約26万人増)となったことがわかった。利用者1人あたりの平均費用は月額15万7,600円(同600円増)だった。
 〔関連リンク〕
  平成24年度 介護給付費実態調査の概況
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/12/index.html

 
●消費増税に伴い、初診・再診料引上げへ
厚生労働省は、2014年4月から消費税率が8%に上がることに伴い、病院・診療所での初診料(現在は一律2,700円)と再診料(現在は原則690円)を引き上げる方針を固めた。また、入院基本料も引き上げる方針である。上げ幅は12月末までに決定する。


●消費増税分は介護報酬に上乗せ 厚労省検討
厚生労働省は、来年4月の消費税率引上げに伴って介護サービス事業者のコストが増加した分を、介護報酬に上乗せする検討に入った。次回の介護報酬の改定時期は2015年4月で増税後になるため、通常よりも先に見直しに入る。来月から本格的に検討を開始し、来年4月から適用を目指すとしている。

 
●国保の運営移管は5年以内を検討 社会保障会議
政府の社会保障制度改革国民会議が8月上旬にまとめる予定の最終報告書の骨子案が明らかになり、国民健康保険の運営を「市町村」から「都道府県」へ移管することを明記することがわかった。一定の準備期間が必要となるため、移管時期は2017年度か2018年度で調整する。

 
●厚生年金基金制度見直しへ 改正法成立
厚生年金基金制度を見直す改正厚生年金保険法が参議院本会議で可決、成立した。財政難(代行割れ)の基金については来年4月の施行から5年以内に解散させ、5年後以降は代行割れでなくても健全性の基準を満たさず他の基金に移行もしない場合、厚生労働大臣が解散を命じる。

 
●32厚生年金基金に省令違反の疑い
厚生労働省の調査によると、32の厚生年金基金が同省の省令に違反して、事務費等の余剰金を外国投資信託などの高リスクの金融商品で運用していた疑いがあることがわかった。同省は順次、是正指導しているが、運用による損失が大きければ加入者(主に事業主)の負担が増えるおそれがある。

 
 ●「高額療養費制度」負担増見送りへ
財務省と厚生労働省は「高額療養費制度」をめぐり、現役世代並みの所得がない70〜74歳の医療費窓口負担の2割への引上げを優先するため、現役世代並みの所得がある70〜74歳を対象にした外来受診の費用の自己負担額を増やす見直し案を先送りすることで調整に入った。両省が負担増による高齢者からの反発が広がることを懸念したことによる。

 
●改正障害者雇用促進法が成立
企業に精神障害者の雇用を義務付ける改正障害者雇用促進法が、参議院先議のうえ、衆議院本会議で可決、成立した。2018年4月施行だが、5年間は企業の負担を配慮して弾力的に運用を行う。また、障害者の採用や賃金に関する不当な差別が2016年4月から禁止される。

 
●「住基カード」を外国人住民にも交付へ
総務省は、「住民基本台帳カード」(住基カード)を外国人住民(対象者約200万人)にも交付する方針を明らかにした。改正住民基本台帳法の施行(昨年7月)から1年の準備期間を経て、外国人住民データの住基ネットにおける運用がスタートし、カードが交付できるようになる。

 
●70〜74歳の医療費負担引上げは来春を検討 厚労省
厚生労働省は、特例で「1割」に据え置いている70〜74歳の高齢者の医療費窓口負担を本来の「2割」に引き上げる時期について、「来年4月」とする考えを示した。ただ、同時期に消費増税も控えているため、再び時期を遅らせる可能性もある。

 
●胆管がん発症問題 マスク着用・排気を義務付けへ
厚生労働省は、印刷会社で従業員が相次いで胆管がんを発症している問題で、発症の原因とされる化学物質を含んだ洗浄剤を使用して作業を行う場合は、「マスクの着用」や「作業場の排気」を義務付ける方針を決定した。10月ごろに省令を改正し、来年1月に施行の予定。

 
 ●介護保険給付費が過去最高を更新
厚生労働省が2011年度の「介護保険事業状況報告」を発表し、税金と保険料で賄う給付費(利用者負担分を除く)が7兆6,298億円(前年度比5.1%増)となり、過去最高を更新したことがわかった。要介護認定を受けた人は531万人(同4.8%増)で、介護保険制度がスタートした2000年度と比較してどちらも2倍以上となった。
 〔関連リンク〕
  平成23年度 介護保険事業状況報告(年報)
  http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/11/index.html

 
●育児休業の取得率が男女とも低下
厚生労働省が2012年度の「雇用均等基本調査」の結果を発表し、女性の育児休業取得率が83.6%(前年度比4.2ポイント減)、男性は1.89%(同0.74ポイント減)となり、ともに2年ぶりに低下したことがわかった。同省では、東日本大震災後の雇用環境悪化により取得を控えた人が増えたことなどが要因だと分析している。
 〔関連リンク〕
  平成24年度雇用均等基本調査結果の概況
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-24.html

 
●「共通番号制度関連法」が成立
 個人と法人に個別の番号を割り振る「共通番号制度関連法」(マイナンバー法)が参議院で可決・成立した。2015年10月に個人番号の通知がスタート、2016年1月から番号情報が入ったICチップを載せた顔写真付きの個人番号カードを市町村が配付し、個人番号で年金の照会などができるようになる。

 
●中小企業への発注目標 過去最高に
政府は、2013年度に発注する事業のうち、中小企業向けの契約目標を過去最高の56.6%(前年目標比0.3ポイント増)、目標額として4兆1,900億円(前年度比約4,000億円増)に設定することを決めた。地域雇用を安定させるため、経済対策の効果を中小企業にも行き渡らせる狙い。

 
●医療費抑制へ保健指導
厚生労働省は、2014年度からすべての健康保険組合(約1,400)に対し、医療費抑制のために加入者向けの保健指導の計画(データヘルス計画)の作成と公表を求める。また、健康診断の数値が異常であるにもかかわらず、通院していない人に対し、医療機関の受診を勧めることも促す。

 
●厚生年金基金改革法案が衆議院で可決
 厚生年金基金制度の改革法案が衆議院本会議で可決し、参議院に送られることが明らかになった。同法案は財政難に陥っている大半の基金を解散させる内容。今国会中に成立する見通し。

 
●「職場における腰痛予防対策指針」を改訂
厚生労働省は、介護・医療などの分野で腰痛による労災が増加していることを受け、「職場における腰痛予防対策指針」を19年ぶりに改訂した。指針では、介助する際は人の力だけで抱き上げずリフトなどの機器を積極的に使用するよう求めている。

 
●「主婦年金」救済の改正国民年金法が成立
夫の退職時などに年金の切替えを忘れて保険料の未納が生じた専業主婦を救済する改正国民年金法が参議院本会議で可決、成立した。3年間の時限措置として、過去10年分の未納分を追納できるようにする内容。

 
●ハローワークを通じた障害者の就職が過去最多に
 厚生労働省は、2012年度にハローワークを通じて就職した障害者が6万8,321人(前年度比15.1%増)となり、3年連続で過去最多を更新したことを発表した。同省は、この要因を「法定雇用率の引上げを見据え、企業が活発に採用を進めたこと」と見ている。
 〔関連リンク〕
  平成24年度・障害者の職業紹介状況等
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000031ock.html

 
●胆管がん問題 大阪以外で初の労災認定
厚生労働省は、印刷会社で従業員が相次いで胆管がんを発症している問題で、宮城県の印刷事業所で働いていた男性2名と愛知県の男性1名を新たに労災認定する方針を明らかにした。問題の発端となった大阪の印刷会社の元従業員ら17名を労災認定しているが、同社以外で認定されるのは初めて。

 
 ●年金制度の抜本見直し案の議論見送りへ
政府の社会保障制度改革国民会議は、「最低保障年金」や「公的年金一元化」などの年金制度の見直し案について、議論を見送ることで一致した。当面は、現行制度での支給開始年齢の引上げなど、合意しやすい議論を先行して行っていく方針。

 
●国保保険料 低所得層の負担軽減策を拡大へ
 厚生労働省は、国民健康保険の保険料について、低所得層向けの負担軽減策を2014年度から拡大する方針を明らかにした。消費増税による負担を和らげるため保険料の2割分を公費で賄い、対象者(加入者の5割に相当する約1,800万人)の年収上限を223万円から266万円に広げる見通し。

 
●働く妊婦の4人に1人が職場で嫌がらせを経験
連合は、働く妊婦の25.6%が、妊娠中や出産明けに職場で嫌がらせやプレッシャー(マタニティーハラスメント)を受けたことがあるとの調査結果を発表した。内容は、「妊娠中や産休明けなどに心ない言葉を言われた」が9.5%、「解雇や契約打ち切り、自主退職への誘導をされた」が7.6%だった。
〔関連リンク〕
  マタニティ・ハラスメント(マタハラ)に関する意識調査
  http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20130522.pdf
●介護保険 軽度の「要支援者」の除外を検討
厚生労働省は、社会保障審議会の介護保険部会を開き、2015年度からの介護保険制度の見直しに向けての論点をまとめた。財政状況を立て直すため、介護利用者のうち軽度の「要支援者」を保険の対象から除外するなど保険料の抑制策を盛り込む考え。

 
●現金給与総額が2カ月連続で減少
 厚生労働省が3月の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、現金給与総額(労働者1人あたりの平均賃金)が27万5,746円(前年同月比0.6%減)となり、2カ月連続で減少したことがわかった。パート以外の一般労働者数の伸び率が0.3%増だったのに対し、パート労働者では1.9%増となった。

 
●「新特区」で5年超の有期雇用が可能に
 政府が大都市圏を中心に検討している新特区である「国家戦略特区」の規制緩和案が明らかになり、有期雇用社員が5年を超えても同じ職場で働けるよう規制を緩和することなどを重点課題としていることがわかった。参院選後に具体的化していく方針。

 
●大手企業の今夏賞与は7.37%増 平均84万円超
 経団連が大手企業(64社)の今夏賞与の第1回集計結果を発表し、平均妥結額が84万6,376円(昨夏比7.37%増)となり、2年ぶりに増加したことがわかった。増加率は1990年の8.36%(妥結額68万7,405円)に次いで高い伸びとなった。

 
●政府が最低賃金の引上げを検討
政府が最低賃金の引上げを目指す考えを示し、6月の成長戦略にも盛り込まれる見込みであることがわかった。低所得者の処遇改善につなげることが目的で、引上げが大きな負担となる中小企業の支援策についても議論を進める方針。

 
●教育訓練給付を拡充へ 社労士資格も対象に
 厚生労働省が、教育訓練給付制度を拡充する方針を明らかにした。若者の能力開発支援が目的で、厚生労働大臣が指定した講座(社会保険労務士、社会福祉士、保育士など)では、最大で1年以上費用の一部を補助し、資格取得など目標を達成した時点で上乗せ支給する仕組みも設ける。2014年の通常国会に雇用保険法の改正案を提出する見込み。
 〔関連リンク〕
  教育訓練給付制度(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/kyouiku/

 
●失業手当の拡充措置の延長を検討へ
 厚生労働省が雇用保険制度の見直しに乗り出すことがわかった。労働政策審議会(雇用保険部会)で明らかになったもので、2013年度末で期限切れとなる失業手当の拡充措置の延長や、雇用保険料率の見直しについて検討し、2014年の通常国会に雇用保険法の改正案を提出する方針。

 
●事務処理ミスで1,300件の年金支給漏れ 年金機構
 厚生労働省・日本年金機構は、公的年金の記録を訂正する事務処理に関して約1,300件の誤りがあり、約10億円の支給漏れがあったことを発表した。機構が記録訂正時の事務処理手続を統一できていなかったことが原因で、支給漏れの件数は今後も増える見込み。対象者には7月から追加支払いを行う方針。

 
●胆管がん多発で原因物質の許容濃度を厳格化
 日本産業衛生学会は、大阪市の印刷会社の従業員らが発症した胆管がんの労災認定問題を受け、原因物質と推定される化学物質「1、2ジクロロプロパン」について、米国の基準の10分の1という厳しい値で、労働環境で許容される濃度を定めたことを明らかにした。国は現在、許容濃度を定めておらず、今夏の法令改正を目指し作業中。

 
●「国保運営は都道府県に」経財会議も移行提案
 政府の経済財政諮問会議が社会保障政策について議論し、国民健康保険の財政を安定させるため、運営を現在の「市町村」から「都道府県」に移すことを提案したことがわかった。すでに社会保障国民会議でも同様の再編策が上がっており、安倍政権の医療制度改革の柱となる見方が強まった。

 
●「トライアル雇用奨励金」の助成対象を拡大へ
 厚生労働省は、就職が困難な求職者を試行的に短期間雇用(原則3カ月)する場合に奨励金を支給する「試行雇用(トライアル雇用)奨励金」について、助成対象を拡大する方針を示した。現状では、ハローワークの紹介を受けた労働者だけが対象となるが、民間の職業紹介事業者を介した場合にも支給する。早ければ来年度から実施する方針。
 〔関連リンク〕
  試行雇用(トライアル雇用)奨励金
  http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/c02-1.html

 
●子供の数が32年連続で減少
  総務省が15歳未満の子供の推計人口を発表し、4月1日時点における子供の数が1,649万人(前年比15万人減)で、32年連続で減少となり、推計を開始した1950年以降で最低を更新したことがわかった。総人口に占める子供の割合も12.9%(同0.1ポイント減)で過去最低となった。

 
●政府が中小企業の出向を支援する機関を設置へ
 政府は、地方の中小企業を対象として、従業員の出向を支援するための第三者機関の設置を検討すると発表した。同じ地域の受入れ企業を探したり、出向先ですぐに働けるように従業員を訓練したりするなどして人材移動を円滑にする。新規採用が低調な中小企業の雇用について、公的支援で後押しするのがねらい。

 
●完全失業率が2カ月ぶりに悪化 4.3%に
総務省が2月の完全失業率(季節調整値)を発表し、4.3%(前月比0.1ポイント上昇)と2カ月ぶりに悪化したことがわかった。また、厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率は0.85倍で前月と同じだった

 
●慶応大が企業のメンタルヘルス対策を支援
 慶応大医学部は、大企業を中心にメンタルへルス対策を支援するため、6月をめどに「ストレス研究センター」を設置する方針を明らかにした。精神科医と臨床心理士がチームを組み、契約を結んだ企業に派遣し、うつ病などで休職中の社員の職場復帰を促すとしている。

 
●高齢者医療「総報酬制」全面導入を要望 財制審
 財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の分科会が、「後期高齢者医療制度」への現役世代の支援金について、大企業の健康保険組合ほど負担を重くする「総報酬割」を全面導入するよう求めていることがわかった。5月末にまとめる予定の「財政健全化への考え方に関する報告書」に盛り込む見通し。

 
●国保など保険証の誤使用で検査院が指摘(4月1日)
 会計検査院は、資格を喪失した国民健康保険の被保険者証が医療機関で誤使用されたことなどにより、国の負担金が約15億7,000万円も過大に交付されたままになっていることを厚生労働省に対して指摘した。古い保険証が誤って使用されたにもかかわらず、元の団体が医療費を支払い続け、国の負担金を受け取っている事例が数多くあった。

 
●健保組合の8割強が赤字
健康保険組合連合会が、健康保険組合の2013年度予算をまとめた結果を公表し、全1,420の健保組合のうちの8割強が赤字で、経常赤字の額は4,573億円に上ることがわかった。2007年度末に2兆8,000億円あった積立金は、2013年度末に9,700億円まで減り、2年程度で積立金が底をつくおそれが指摘されている。

 
●「国保運営は都道府県に」政府会議が意見
 政府の社会保障制度改革国民会議が医療・介護に関する議論の整理を行い、国民健康保険の運営について、「市町村」から「都道府県」に移管すべきとの意見で一致したことがわかった。2011年度における国民健康保険の実質収支は3,022億円の赤字で、運営の広域化により財政基盤を強めるのが狙い。

 
●2018年度から精神障害者の雇用を義務化へ
 厚生労働省は、2018年4月から企業に精神障害者の雇用を義務付ける方針を決定した。4月にも障害者雇用促進法の改正案を国会に提出する。これにより法定雇用率が上昇するが、当初5年間については障害者雇用の状況や国の支援体制などを考慮して上昇幅を抑えることも検討されている。

 
●年金関連法案を閣議決定
 安倍内閣は、今国会での成立を目指している「年金関連法案」について閣議決定した。主な内容は、(1)会社員である夫の退職時に手続きを忘れたことにより未納期間が生じた専業主婦の救済、(2)財政難が深刻となっている厚生年金基金制度の見直し。(1)は今年7月、(2)は来年4月に施行の予定。

 
●電気料金値上げで製造業の半数以上が「生産縮小」と回答
 経団連が「電力問題に関する緊急アンケート」の結果を発表し、大手メーカーの半数以上が、相次ぐ電気料金値上げの影響で今後2〜3年の間に国内生産を減らす方針であることがわかった。値上げ対策として、53%の企業が「国内生産を減少させる」、48%の企業が「国内の設備投資を減らす」と回答した。

 
●政府が大学生の採用活動時期の繰下げを提言
 政府は、企業による大学生の採用活動の解禁時期について、現在の「大学3年生の12月」から4カ月遅らせて「大学4年生の4月」に繰り下げるよう、経済界に検討を促す方針を示した。2015年春に卒業予定の学生の就職活動からの適用を目指すとしている。

 
●「在宅型テレワーカー」が大幅増加
 国土交通省は、「在宅型テレワーカー」(本来の職場には通勤せずにインターネットなどを利用して自宅で働く人)が、2012年に約930万人(前年比約1.9倍)に上ったとする推計を発表した。また、サテライトオフィス(遠隔地事務所)の利用者などを含めたテレワーカー全体では、約100万人増の約1,400万人となった。

 
●「追い出し部屋」問題で新たに2社を調査へ 厚労省
 厚生労働省は、大手企業を中心に「追い出し部屋」と呼ばれる部署が存在している問題に関して、違法な退職強要などの有無を確認するため、新たに2社を調査する方針を示した。これまでに5社を調査し、「明らかな違法は確認できない」との結果を公表する一方、過度の退職勧奨は違法だとして注意を呼びかけていた。

 
●公的年金の運用収益が黒字に 2012年10〜12月期
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2012年10〜12月における公的年金(国民年金・厚生年金)の運用収益を発表し、5兆1,352億円の黒字となったことがわかった。四半期でみた黒字額は過去2番目の大きさとなった。



●冬季賞与が4年連続で最低額を更新
厚生労働省が2月の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、2012年冬季賞与が平均36万5,687円(前年比1.5%減)となり、4年連続で最低額を更新したことがわかった。同省は、「震災により収益が悪化した2011年の業績を反映した企業が多いため」と分析している。

 
●「金融円滑化法」利用後の倒産が7割増加
「中小企業金融円滑化法」で返済負担を軽減された企業の倒産件数が、2012年度は428社(前年度比約73%増)となり、負債総額は3,449億円となったことが、帝国データバンクの調査で明らかになった。支援を受けても期待したような回復が見られず、事業継続を断念するケースが増加している。

 
●転職で収入が増える人は約3割
総務省が2012年の「労働力調査」の集計結果を発表し、転職者のうち収入が増えた人は全体の31.6%(前年比1.2ポイント増)にとどまり、収入が減った人(40.1%)の割合を下回ることが明らかになった。勤続年数の長い中高年の男性で、転職により収入が減るケースが目立っている。



●「年金記録回復委員会」の後継組織が初会合(4月1日)
 厚生労働省は、今年1月に廃止された「年金記録回復委員会」の後継組織にあたる「年金記録問題に関する特別委員会」の初会合を開いた。いまだに持ち主が判明していない年金記録(約2,200万件)の解明が主な目的で、再発防止策などについて審議し、2013年度内に報告書をまとめる方針。
 〔関連リンク〕
  社会保障審議会「年金記録問題に関する特別委員会」の設置について
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002wk1k-att/2r9852000002wk5p.pdf

 
●2040年には全都道府県で人口減 厚労省推計(4月1日)
 厚生労働省「国立社会保障・人口問題研究所」は、2010年の国勢調査に基づいた今後30年間の地域別の推計人口を発表し、すべての都道府県において2020年から人口が減少し、2040年には7割の市区町村で人口減少率が20%以上となり、全国平均を上回ることがわかった。また、総人口に占める65歳以上の割合(2040年)は36%を超えることもわかった。
 

 
●厚生年金基金は最大で1割存続
 厚生労働省は、制度の廃止を検討してきた厚生年金基金について、財政が健全な基金については存続を認めることを決定した。ただし、存続できるのは最大でも1割程度の見込みで、多額の積立不足を抱える基金には解散を促していく方針。今年4月に関連法案を国会に提出の見込み。

 
●国民負担率が微減の見通し 40.0%に
 財務省は、2013年度における「国民負担率」(所得に占める税・社会保障の負担割合)が40.0%(前年度比0.2ポイント減)となるとの見通しを発表した。負担率の内訳は、税負担が22.7%、社会保障負担が17.3%。

 
●2012年の非正規労働者が過去最高を更新
総務省が2012年平均(速報)の労働力調査詳細集計を発表し、雇用者に占める非正規労働者(派遣やパートなど)の割合が35.2%(前年比0.1ポイント上昇)となり、3年連続で過去最高を更新したことがわかった。実数としてみると、前年より2万人増えて1,813万人(前年比2万人増)で最高となったが、正規労働者は、3,340万(同12万人減)となった。



●胆管がん発症の16人を今月中に労災認定へ
厚生労働省は、印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症している問題に関して、大阪市内の印刷会社で働いていた16人について3月中に労災認定する方針を決めた。ただ、労災認定基準を示すには至らず、同省では、残る労災申請者について職場などの実態を踏まえて個別に判断していく考え。

 
●精神障害者の雇用を企業に義務付けへ
厚生労働省の労働政策審議会(分科会)は、精神障害者の雇用を企業に義務付けることが必要であるとする意見書をまとめた。これを受けて、同省では4月中にも障害者雇用促進法の改正案を国会に提出する方針。

 
●厚年基金「一部存続」で調整へ
政府・与党は、制度の廃止を検討してきた厚生年金基金に関して、財政が健全な基金については一部存続を認める調整に入った。ただ、存続が認められても認可基準は非常に厳しく、存続する基金はほとんど見通し。

 
●「厚年基金は廃止が妥当」 専門委員会が意見書
社会保障審議会(年金部会)の専門委員会が、厚生年金基金制度についての意見書をまとめ、同制度を廃止とする厚生労働省の方針は「妥当である」とした。ただ、財政状況が健全な基金については存続を認める意見も併記された。

●「メタボ健診」受診率が低調
厚生労働省は、メタボ健診(40〜74歳を対象とした特定健康診査)の2011年度の受診率が45%にとどまったことを発表した。前年度の43%からやや改善したものの、同省が掲げる「2012年度までに7割」という目標には遠く及ばない。



●「仕事をしながら出産」の女性が大幅に増加
厚生労働省が5年ごとに実施している「人口動態職業・産業別統計」の結果を発表し、2010年度に働きながら第1子を出産した女性の割合が34.5%(前回比9.3ポイント上昇)となったことがわかった。同省では、共働き世帯が増加や育児休業制度の定着が進んだことが要因ではないかと分析している。



●年金基金 会計士による外部監査を導入へ
日本公認会計士協会は、一連の年金資産の消失問題を受け、会計士による年金基金の監査ルールを決めることを明らかにした。再発防止に向け、基金に対する外部からの監視を強化するとともに、不正を発見しやすい監査手続を整備し、外部監査の活用を企業の年金基金に促す。基金は外部監査を義務付けられておらず、導入は任意となる。



●労働災害による死傷者数が3年連続で増加
厚生労働省が2012年の労働災害の速報値を発表し、労働災害による死者が1,046人(前年比6.7%増)で、けがや病気で4日以上休業した人を含めた死傷者は11万4,458人(同2.0%増)となり、3年連続で増加したことがわかった。
 〔関連リンク〕
  平成24年の労働災害の動向について
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002vz2a.html

 
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、2013年度における全国平均保険料率(労使折半)について、2012年度と同じ10%に据え置く方針を決めた。都道府県別の保険料率についても変更は行わない。収支均衡のためには平均で10.07%に引き上げる必要があったが、準備金を取り崩して現行の保険料率を維持する考え。

●2013年度の税制大綱が決定
自民党・公明党は、2013年度の税制改正大綱を決定した。2014年4月の消費税率8%への引上げに向け、企業に対する設備投資や雇用拡大を促す減税措置が多く盛り込まれている。今回の税制改正による減税見込み額は、平年度ベースで約2,700億円(国税1,500億円、地方1,220円)となっている。

●中退共の累積赤字が200億円に縮小
厚生労働省は、昨年11月からの円安・株高の影響で、中小企業退職金共済制度(中退共)の累積赤字が、1月末時点で約200億円となったことを明らかにした。2012年3月末時点の1,741億円から9分の1まで縮小されたことになる。ただ、資産の運用環境改善により、逆に予定運用利回りの引下げなど財政健全化への改革が遅れる可能性もある。


 
●妻の収入が過去最高 総務省家計調査
総務省が2012年の家計調査の結果を発表し、2人以上の世帯の平均実収入(月額)が51万8,506円(前年比1.6%増)となったことがわかった。また、女性の社会進出や生活維持のためにパートを始める人が増え、女性配偶者の収入が5万9,177円と(同11%増)で過去最高となり、世帯の収入を共働きで維持しようとする傾向が一段と鮮明になってきた。



●企業の技術革新を促す優遇税制を拡充へ
自民、公明両党は、企業の技術革新を促すため、研究開発に力を入れる企業に関する優遇税制を拡充する方針を固めた。税額控除の上限について、法人税額の30%に引き上げる案が検討されている。
 
法務省は、飲酒や薬物摂取、病気の影響で人身事故を起こした場合の罰則を新設することを柱とした、法改正の原案を法制審議会(法務大臣の諮問機関)の部会に示した。法制審議会は来月をめどに答申をまとめる方針で、同省は関連法の改正案の通常国会への提出を目指すとしている。●大学生の内定者26%が将来転職も視野に
全国大学生活協同組合連合会が行った「学生生活実態調査」によると、就職活動で内定を得た学生の26.7%が、将来転職や中途退職を考えていることがわかった。終身雇用や年功序列制度が崩壊し、学生側も自分の就職先を冷静に捉えていることが浮き彫りとなった。


●解雇条件見直しへ 金銭解決の導入を検討
政府の規制改革会議は規制改革の主な検討課題を明らかにし、正社員の解雇をめぐり、どのような条件なら合理性があると認めるかの基準を明確化するよう提起した。解雇権の濫用として無効判決が出た場合に、職場復帰の代わりに労使が金銭で労働契約を終了したとみなす解決策の導入も検討する。6月にまとめる成長戦略に反映する。

 
●「復興所得増税」がスタート
1月1日から、東日本大震災からの復興財源として所得税を上乗せする「復興増税」がスタートした。所得税額の2.1%分に相当し、2013年から2037年まで25年間続き、個人住民税についても2014年6月から10年間、年間1,000円上乗せされる。

●求人倍率 福島県が初の全国1位に
厚生労働省が昨年12月における都道府県別の有効求人倍率を発表し、福島県が1.18倍(前月比0.08ポイント増)で、統計を取り始めた1963年以降で初めて全国1位になったことがわかった。復興関連求人の増加が要因だが、福島労働局では「建設業などの特定の職種に偏りがあり、求職者の希望とずれがある」と指摘している。

●ローソンが20代後半~40代の年収3%アップへ
ローソンは、2013年度から20代後半~40代の社員の年収を平均3%(平均約15万円)引き上げることを発表した。年2回支給している賞与に上乗せする。同社の新浪社長は政府の産業競争力会議のメンバーとなっており、デフレ解消策として所得拡大を掲げる政府の方針に率先して賛同した形となる。

●上半期の入職率が8.8%に上昇
厚生労働省が2012年上半期の雇用動向調査を発表し、労働者全体のうち新たに仕事に就いた就職者の割合(入職率)は8.8%(前年同期比0.6ポイント増)だったことがわかった。一方、離職した人の割合は8.1%(同0.1ポイント減)と3年連続で低下した。

厚生労働省は、全国の印刷会社で相次いで従業員などの胆管がん発症が明らかになっている問題で、1月28日までに新たに5件の労災申請があったと発表した。これにより、労災請求件数の合計は61件(うち死亡38件)になった。

厚生労働省は、2011年度における国民健康保険の財政状況を発表し、保険料の収納率が89.39%(前年度比0.78ポイント増)となり、2年連続で改善したと発表した。これにより赤字額は前年度から879億円減少したが、一般会計からの繰入金を除いた実質収支は3,022億円の赤字となっている。

●年金記録回復委員会が解散 新組織立ち上げへ
田村憲久厚生労働大臣は、「消えた年金記録」問題に対応するため、17日付で廃止された年金記録回復委員会に代わる新組織を立ち上げ、今後も解明作業を継続していく考えを示した。新組織の設立時期や名称等の詳細は未定。

●生活保護 3年で800億円削減へ
政府・与党は、生活保護のうち、年末に特別に支給する手当の見直しを含む、生活費にあたる生活扶助の国庫負担を、3年かけて約800億円減らすことでほぼ合意した。減額される率は世帯や住む地域によって変わるが、全体で8%の削減となる。厚生労働省が公表した検証結果では、多人数世帯への支給額が、低所得世帯の生活費の水準を上回る逆転現象が報告されていた。

●低所得者に現金給付措置 軽減税率は見送りへ
政府は、消費税が8%に上がる2014年4月から低所得者向けに現金の給付措置を実施する方針を固めた。それに伴い、14年度から導入が検討されていた食料品などの生活必需品の税率を抑える軽減税率は、先送りされる方向となった。

●飲酒などの悪質な事故に新罰則
法務省は、飲酒や薬物摂取、病気の影響で人身事故を起こした場合の罰則を新設することを柱とした、法改正の原案を法制審議会(法務大臣の諮問機関)の部会に示した。法制審議会は来月をめどに答申をまとめる方針で、同省は関連法の改正案の通常国会への提出を目指すとしている。




●公共事業の入札を簡素化へ 国交省方針
国土交通省は、今年度の補正予算案に盛り込む公共事業のスピードを早めるため、入札に関する手続きを大幅に簡素化する方針を明らかにした。過去の施行実績だけで評価し、書類審査を省くなどして発注までの期間を短くし、景気対策の効果を早く出すのがねらい。

●銀行に中小企業再生支援の定期開示義務付け 金融庁方針
金融庁は、メガバンクや地方銀行などすべての金融機関に対し、中小企業の再生支援への取組みを定期的に開示することを義務付ける方針を示した。中小企業の債務返済を猶予する「金融円滑化法」の期限切れ(3月末)により経営難に陥る可能性のある企業の再生を促すため、金融機関が経営改善に本格的に関与する考え。

●公立校の教職員 定年後約3割が再任用
文部科学省の調査によると、公立学校を定年退職した後に再任用された教職員が2年連続で増えたことがわかった。年金の支給開始年齢の段階的引上げに伴い、再任用を望む人が増えていることが背景にあり、今年度は定年退職者約2万人の約3割が再任用されたことになる。

●70~74歳の医療費負担 2014年から「2割」検討
特例的に1割に据え置かれている70~74歳の医療費負担について、自民・公明両党は来年4月からの2割への引上げを見送り、2014年1月から段階的に2割にする考えを示した。2013年中に70歳に達する人については1割負担のままとし、2014年1月以降に70歳に達する人から2割にする案が検討されている。